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ご訪問ありがとうございます!感謝力を高めて人間性を高め、最終的には良くないことであっても感謝出来るようになれると、意識が変わり、人間性の高い人が増えると世の中が変わります。まだまだ修行が足りない身ですが、一緒に頑張りすぎない程度に頑張りましょう。
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 薄いけれども内容がとても充実しており、実行するのは難しい!がためになる。

 以前、小池龍之介さんが書いた「もう、怒らない」という本をここで取り上げたが、今度は別の著者、スリランカ初期仏教長老という立場のアルボムッレ・スマナサーラさんによる本を読んでみた。複数の僧侶がほぼ同じテーマで本を出版しておられるあたり、今の人は「怒りたくない人」が増えてきているのと同時に仏教では「怒らない」ということがかなり大切なのだろう。

 第一章は『「怒り」とは何?』というテーマで書かれ、怒りとは何か?どうして怒るのか?怒るとどうなるのか?ということが詳しく書かれている。16ページには「大雑把にいうと、我々人間はこの二種類の感情によって生きていると言えます。ひとつは愛情の感情で、もうひとつが怒りの感情なのです。」と書かれており、怒りと愛情は表と裏の様なものであることが分かる。そう考えると、場合によっては怒ることも必要なのか?と考えてしまうのだ。32ページには『人間というのはいつでも「私は正しい。相手は間違っている」と思っています。それで怒るのです。「相手が正しい」と思ったら怒ることはありません。それを覚えていて下さい。』、35、36ページには『けれど私たちの心にある「私は正しい」という思考は間違いです。それを「私は正しいはずがないのだ」と訂正することです。「私は完全だ」「私は正しい」というとんでもない考え方は、一刻も早く捨てた方が良いのです。』と書かれて、解決の一歩が記されているのだ。結局「利己心」を捨てるということにつながってくるのだろう。

 第二章は「怒りが幸福を壊す」というテーマで書かれ、69ページに『本来楽しいはずの勉強でも、「テストで良い点を取りたい」「受験戦争に勝ちたい」「ライバルに差をつけたい」という気持ちになってしまったら、そこにあるのは怒りです。どうして戦うのでしょう。戦うからうまく行かなくて、苦しくなってしまうのに。(中略)我々はよく「怒るのは当たり前だ」などと言いますが、まったく当たり前ではないのです。』、74ページには「また愛情は、創造したり、何かをつくったり、育てたりする肯定的なエネルギーですが、怒りは、拒否したり、捨てたり、壊したりする否定的なエネルギーです。そしてその怒りはどこに生まれるかというと、時分のからだの中です。ですから怒りが生まれると同時に、怒りは自分を壊し始めているのです。」と書かれ、これではもう「必要」などどは言っていられない。結局なんだかんだで自分が一番損をするのだ。

 第三章は「怒らない人」というテーマで書かれ、125、126ページに「いつでも、リーダーになるのは怒らない人です。政治の世界にしても、お互いに合ったり、けなし合ったり、いろいろあるでしょう。そういう世界であっても、生き残っていい大臣や総理になる人は、何を言われても、かなり落ち着いてニコニコしている人でしょう。(中略)ですから、本物のリーダーはけっして怒りません。怒らない人はみんなの手綱をつかんでいるのです。」と書かれ、怒らない人だからこその特質が書かれており、他にも色々と触れられているので一度読まれると良い。

 第四章は核心の「怒りの治め方」というテーマで書かれ、139ページには『動物以下の無知な生き物にはなりたくないでしょう?だったら「怒るのは最低で無知な人である」「怒るのは人間性を捨てることだ」ということを理解して下さい。「怒っている自分には理解力も合理性も客観性も何もないのだ」ということを心の底から受け止めて下さい。それが出来るようになるともう怒れません。』ととても良いヒントが書かれているのだが、本当に理解し出来るようになるまでがとても大変そうだ。だからといって何もしないとその先の進歩はないので努力する必要があるだろう。174ページには『私のところには、ときどき、延々と議論したがる人々がやってきます。そして、「これはいけません。こんなことやったら困ります」といろいろ言い始めるのです。でも私は、話し合う時は感情で話すことを許しません。「ちょっと待って下さい。気持ちではなくて、何が問題なのか、なぜ問題なのか、そのポイントだけおっしゃって下さい」と言います。そうすると、大抵の人はそんなにしゃべれなくなってしまうのです。』と書かれており、人間が感情の動物とまで言われる故が分かる。そして、感情だけで動いているような人に対する方法も示されているのが良い。

 他にも『「正しい怒り」は存在しない』(68ページ)、『「殺してもいい」は成り立たない』(70ページ)、『怒りを「抑える」「我慢する」は大間違い』(140ページ)、『「怒らないこと」と「甘やかすこと」は違う』(148ページ)、『「きつく教えること」と怒りとはちがう』(177ページ)等、全体で203ページの薄い本だが、内容はとても濃く、一度読んだだけでは全てを実行し、身につけるのは難しいが、読む甲斐のがあるのでお薦めです。ただ、109ページ、110ページにわたって書かれている「いきなり理由なく殴られても怒らないようになる」までの道のりは機が遠く成るほど極めて遠い……と実感した。結局、自分の周囲に起きていることに「感謝出来るかどうか」が鍵なのだろう。

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