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ご訪問ありがとうございます!感謝力を高めて人間性を高め、最終的には良くないことであっても感謝出来るようになれると、意識が変わり、人間性の高い人が増えると世の中が変わります。まだまだ修行が足りない身ですが、一緒に頑張りすぎない程度に頑張りましょう。
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 タイトルだけ見ると、おそらく「こうすれば希望が持てます」ということがあれこれと書いてあるのだろう、と推測してしまうのだが、この本はアルモブッレ・スマナサーラ長老と、養老孟司さんの対談本であり、実にいろいろなことが語られているのだが、以外に短時間で読める、読みやすく、内容が濃い本である。そのひとつとして、38、39ページに『たとえば、楽器演奏の才能があるならば演奏家になればよろしい。「しかし、それだけではあなたの捜し求めるものは得られませんよ」ということをわれわれは言うんですね。もう一つ、心の中にあるんだよと。自分が見えてくるとわかるんだと。それが仏教が提示する「人として正しい生き方」です。(中略)「人として正しい生き方」でもって、一生心を高めていくんです。これこそ仏教が伝えなければならないことなんです。』と、スマナサーラ長老の発言として書かれている。そして養老孟司さんの発言として『必要なのは「人間とは何だ?」という教育なんですよね。それがあって当たり前で、本来お寺さんとか、宗教が担っている役割って、そういうことですよね。社会の一番基本的な機能です。』(40、41ページ)と書かれており、宗教の本来の役割の見解が示されていることが特筆に価する。ここのところ宗教がらみの報道に関しては、反社会的な迷惑行為のようなことばかり注目されてしまい、この様な内容にお目にかかることはほとんどないので貴重である。そして、教育関連の内容として59、60ページに『なにしろ教科書に答えの出ない問題を載せようとすると、先生が断るのだから。「嫌だ」って言うんです。「答えのないことは教えられない」って。(中略)いまの教育の場では、方法論を教えないということです。』これもまた新たな問題を提示しており、貴重である。確かに、当初の「人間とは何だ?」という問いに対する絶対的な定説回答というのは存在しない。ただ、その回答をどのようにして自分なりに見つけるのか?というとやはりそれは「方法論」が必要になるので、知らないと正しい答えは見つけられない、ということになる。
 そして、94ページにはスマナサーラ長老の発言として、「さっきも言いましたが、お互いに少しずつ手を貸しあっているのが本来の共同体。そこでは皆のためにすることは、イコール自分のためになっている。それでお互いに生かしてもらっている。貸し借りはなし。フィフティフィフティ。誰かが犠牲になるなんてことには、ならないんです。」という本来の「共存、共栄、弥栄」の内容がしっかりと示されており、これもまた貴重である。その裏づけとして、養老孟司さんの発言として「できるやつとできないやつがいるというのは当たり前の話。そんなの一〇〇メートル走らたら、すぐわかります。速いやつも、遅いやつもいるわけですよ。じゃあ遅いやつは生きている価値がないのかっていうとぜんぜん関係ないじゃないですか、そんなこと。」と書かれており、これもまた「人間とは何か?」という問いに行きつく。確かに学生のころを振り返ると、暗黙の了解のように「できないやつはダメなやつ」という方向に進んでしまっているように思えるのだ。173ページからは十一章として『「やりたいこと」より「できること」』というテーマで書かれ、スマナサーラ長老が『だから私は、若い人に「あなたにとって、いちばんつまらないことをやってみたらどうですか、それには才能があるのですから」と言うんです。』と書いておられ、意外といえば意外だが、自分の天命を知るという点では至極真っ当なないようである。
 思わぬことに気づかされたり、なるほどと思えることが多い本で貴重な一冊である。ただ、私も全ての内容を理解しているわけではなく、83ページからの「絶対神はありえない」とぃう見出しのところは心底理解できていないのだ。さまざまな角度から検証したい人にお勧め。

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 物事を正しく見、判断するのは難しい。 
 
 神科医の香山リカさんによる著書。今回、香山さんの本をはじめて読んだ。専門用語が使われずにかかれ、まったく精神科系統の知識がない人でも安心してわかりやすく読める本である。

 確かに、何かをやっていてうまくいかない、あるいは自分が想定していない方向に進んでしまうととどうしてもどこかで「むくわれない」と感じてしまうことがあるのだ。その原因として、「比べる相手がいてこそ、わいてくるものだ。」(41ページ)、見出しとして「むくわれたかどうかはすぐにはわかならい。」(161ページ)と書かれ、近視眼的なものの見方を戒めておられる。そして、「本当の意味で『むくわれたかどうか』を決めるのは自分ではないということだ」(154ページ)と書かれ、画家のゴッホと弟のテオの例が挙げられている。たしかにゴッホは生前は不遇だったが、今となっては押しも押されぬ名画家で、作品はとても高価な値段で取引されておりとても個人で手が出るような金額ではないのは周知のとおりだ。

 そして、「満たされた思いが得られればそれはむくわれたことになる。」(62ページ)と書かれ、どのようにしてその「満たされた思い」が得られるかどうか、ということになる。結局ここでも物事を正しくみられるかどうか?ということが問われ、本当に理解し、身につけ実行するにはなかなか難しいことを実感した。それには変に感情に流されたり、あまりにも主観的なものの見方から開放されなければできないことだからである。
 174ページから、『それでも「報われない」と思ったときの七カ条」』というタイトルで、対処の仕方かが書かれているので参考に出来ることがこの本のすばらしいところである。

 香山さんの本業の立場から見ると、意外に「診療室に来る女性の多くは、圧倒的に夫を持つ既婚者なのだ。四〇代の既婚女性が多い。」(78ページ)書かれており、この前には「独身女性のほうが多いのではないか」というようなやり取りがあるのだ。この解釈も人により、なるほどそうか、と納得する人も、意外に感じる人もおられるだろう。おそらく四〇代の既婚女性が一番「むくわれない」と感じている人が多いのかもしれない。

 今現在、何らかの形で「むくわれない」あるいは「満たされない」と感じている方、あるいは「物事を正しく見られる」ようになりたい方にはお勧め。

「むくわれない生き方」を変える本
香山リカ

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 社会問題を正確につかみ、認識しよう。 
 
 著者の大沢真知子さんは労働経済学が専門。今回初めて大沢さんの本を読んだ。

 ここで書かれていることは、必ずしも今の日本の「ワーキングプア」問題は必ずしも労働者本人の自己責任ではなく、社会の仕組みがそのようにせざるを得ない方向へ仕向けられているということだ。それも原因はひとつではなく、沢山の要因が絡んできている。例えば、欧米のパートタイマーは「ただ単に労働時間がフルタイマーより短い労働者」で、「女性の独身時代と子供が大きくなってからのキャリアをつなぐブリッジ(橋渡し)の役割をする就業形態」であるのに対し、日本のパートタイムは主婦パートが原型になっているという根本的な違い(68ページ)や、「日本のセーフティーネットが職を失ったひとに対して十分機能にしていない(中略)多くの先進国では失業保険の非加入者のために失業扶助という制度が設けられている。そこから生活費が支給されるので、求職活動をおこない、諸釘行訓練を受けることができる。ところが日本にはそのような失業扶助制度が用意されていない。」(9ページ)ということだ。今のところ、経済的な安定が自立した生活を送るための大きな柱になっている以上、何らかの形で収入を確保する手立てを持つ必要があるのだ。

 もちろん、たんなる社会の制度だけでなく「相談者の特徴としては働く場で、自分を大切にされたり、尊重されたりした経験が少ない、ということがあります。日雇い派遣に典型的ですが、働く場で使い捨てられてることが当たり前であるため働くことを通して自身を持つという経験が少ないわけです。」(14ページ)、『経済的に困難を抱えるひとびとが、将来に対して悲観的になったり「がんばっても仕方ない」といういう考え方を持っているとすれば、それは、かれらをそのような考えに向かわせた社会の仕組みの問題であるという認識が広まったからである(阿部彰2008、100ページ)』という、かなり深いことまで掘り下げて書かれている。そして、「さらに、不安定労働にしかつけなければ、結婚して所帯を持つことはむずかしい。婚姻率と雇用の安定の間には大きな相関関係が見られる。」(112ページ)と書かれ、ワーキングプアが大きな社会問題であることが示されている。そして、日本の特徴として、「一生懸命働いても食べていけない」(101ページ)が挙げられている。今まで確かに「貧困」というと、働く場所がない、とか十分な給料が払われていない、という印象があるのだが、これは新しい要因、しかももっとも困る、面倒で大変な要因だろう。

 他にも、韓国やヨーロッパの現状にも触れられ、この貧困問題が日本だけの問題でないことがわかる。

 現状がどうであるのか、ということを理解するにはよい本であるが、個人がこのような現状に対してどのように対処をしたらよいのか?という減ではあまり参考にならない。

日本型ワーキングプアの本質――多様性を包み込み活かす社会へ
大沢 真知子

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 自然に身についた「感謝」「包み込み」「共存」。

 タイトルに惹かれて読んでみた。失礼ながら、今まで全く著者の大内順子さんのことを知らず、今回初めて知った。ファッション番組の草分け的存在で、現在は70歳代ということである。超大御所ベテランの方である。実はこのような肩書きから判断すると、とても気が強く、どちらかといったらわがままな人、ライバルを蹴落としたり、ビジネスだからといって嫌がらせ等をするのが当然といわんばかりで仕事をするような人連想してしまうのだが、実はそれほどでもないことに驚きを感じるのだ。もちろん大内さんが子供のころを過ごした時代というのは今よりももっと本来の日本の良さが残っていたはずなので、私の世代とは少し違うところがあるのは否めない。ただ、本来の日本的な良さが失われてしまわないようにこれから気をつける必要があるのだろう。

 この本は前書き、後書き込みで169ページと薄く、割と大きな活字で印刷してあることと、特別な知識や専門用語を必要としない誰でもわかる読みやすい言葉で書かれているのでとても読みやすい。そして、書かれている内容が抵抗感なくすんなりと入ってくる。

 そして感心したことは大内さんが自然に「感謝」「包み込み」「共存」を実行してこられたことである。3ページには『70年余りに及ぶ私の人生を振り返ったとき、改めて思うのは「周りの人々への感謝の気持ち」です。』、66ページから72ページに多くの見出しとページを割いて嫉妬についてその原因とどのように対処したらよいのか、ということに触れ、72ページに「相手がやっていないことや、相手とは全く違う方法ををやってみるのです」、76ページから78ページには「ライバルと共存するには」という見出しでコツが書かれており、一つ目は「相手の優れた点を心から評価すること」二つ目は「さりげなく相手の弱い部分、自分が力になれる部分を探してさりげなく助けること。」ということである。実行するのはなかなか難しいかもしれない。何しろ、人それぞれに得手、不得手があるので、どうしても特定の用件というのか事柄の対処はどうしても苦手で取り組めない場合があるし、人間どうしても不完全である以上本当に「物事を正しく見る」というのはなかなか難しいからである。しかし、大内さん自身が実行してこられた実例がたくさん書かれているので自分が同じような状況に立たされたらどうしたらよいのか?というヒントを探すにはとてもよい本である。

 ファッションを通して海外と仕事をしてこられた方の草分けらしく、24ページには『欧米の人が長い歴史の中で培ってきた「たたかう強さ」。それは、日本人のDNAには、あまり組み込まれていない気がします。でもその代わりに、日本人ならではの「強さ」--「和」を大切にする「たたかわない強さ」があると思います。』と書かれ、文化的な違いにも触れられている。

 わかりやすい言葉で日本と欧米の違いを実感、理解したり、物事に対する自分なりの対処の仕方についてヒントを得るためには貴重な本。読み直しもやりやすいです。

たたかわない生き方
大内 順子

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 性格判断の思わぬ背景を知ろう!
 
 このブログではお馴染みの、アムボムッレ・スマナサーラ長老による著書。タイトルを見ると、「デキる人」とは学生であれば、成績がどの教科もよい人、社会人であればどのような仕事を任せても結果を出せる人をおもい浮かべ、そしてそのような人はたいていどこでも欲しがられるので
そういう人のことをうらやましく思ってしまうこともあるのだが、124、125ページに「多芸多才は困りもの」というタイトルで、「なにか人間らしいことを一つ、二つできて、自分の能力を生かせればそれで十分です。(中略)社会というマトリックスの中で、自分の位置がわかれば幸福です。」、121ページから123ページには「能力のある人とない人」という見出しで、『「決めた目的に達することが能力」なので、われわれは決めたことに達すように勤めれば十分です。怠けてはいけないのです。言い訳もいけないのです。』と書かれ、「能力がある」ということが定義づけされており、それを踏まえて読まないとアレレ?ということになってしまうこ事がある。
 
 最初からかなり多くのページに「性格判断」について書かれているのも意外な印象がした。確かに、雑誌で特集が組まれたり、載っていると
ついつい見てしまうのだ。しかし、10、11ページには「われわれはどうして人の性格を知りたがるのかというと、まずその人を支配した害からなのです。」と厳しいことがズバリ書かれていて、ある意味では納得するけれどもある意味ではかなり厳しく痛い。そして71ページから「性格判断ができるのは覚者のみ」という見出しがあり、お釈迦様だからこそできることが詳しく書かれている。当然のことながら、われわれと「覚者」のレベルに達している人との大きな違いがはっきりと書かれているのだ。82ページには、「この世に生まれてくる人間が、何をすれば才能を発揮できるだろうかと前もって知ることが出来れば、それほどありがたいことはないと思います。しかし、お釈迦様には、生命の将来性を発見できるのです。お釈迦様には、どこまでも過去にさかのぼって生命の行方を知る能力があったので、目の前にいる人の将来性も見えるのです。」と書かれ、覚者とそうでない人の違いについて触れられている。おそらくこれはそう簡単に身に着けるわけにはいかないだろう。まさに「万物を見通す目」を持つという印象がある。93ページには「倫理的な目的からけっしてズレてはいけないと、覚えておいて下さい。会社で利益を上げるために、死ぬまで夫婦仲良くするために性格判断をするのではないのです。」と書かれており、後半はアレレ?という感じである。表面的にはこの世的に思えても、深いところでは表裏一体のはずだからである。

 126ページから、「無限の能力開発法」というテーマで11の項目が書かれている。特筆すべきは「できないことを恥じない」というテーマで、87、88ページに詳しく書かれているのだが、お釈迦様の偈(げ)と呼ばれる四行詩を覚えられなかった阿羅漢について触れられている。阿羅漢とは出家した弟子なので、当然普通の生活をしている我々は明らかにレベルが違うのだろう、と考えてしまうのだが、このような方もおられるのである。生身の人間である以上、どうしても他人の欠点に目が行き、腹が立つことも避けられないのだが、お釈迦様の弟子すらこのような欠点がある事を思うと色々と考えてしまうのだ、「腹がたたなくなるにはどうしたらよいだろうか」と。そして本は前出した「多芸多才は困りもの」という内容をおぎなっているのだ。

 感謝に関連する事を書き出すと、138ページに「喜びを感じる」というてーまが一番近いものになるだろう。

 世間一般で言われていることとの違いがよく見えるので、視点を変えたい方にはお勧めです。

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