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 雇用問題は国を滅ぼす!?日本国存亡の危機!!

 この本は2008年3月に初版が発行されており、多少今とは違う状況になってし待ているので全てが現状に適合しているとは言えない所もある。何しろ今では「ワーキングプア」だの、「ネットカフェ難民」という言葉自体があまり聞かなくなっており、メディアでも取り上げられていない。

 この本が出版された当時、ある程度までは「ワーキングプアは自己責任」なのではないか、と思っていたが、それだけではなく、問題の根はとても深くあちこちに行っているようである。第3章には「ワーキングプアから脱出出来ない現実」というタイトルで書かれているのだが、122、123ページには「現在ニートとなっている若年者の55%が過去に学校でのいじめ被害の経験があるという。このアンケートの調査結果から類推すると、ニートとなっている若者の一部は、過去に学校生活で体験したいじめ被害がトラウマとなり、それが対人恐怖症、ひいては就労困難につながったと考えられる。」と書かれており、確かに表面だけいじっても根本的な解決にならない事が見えてくる。それでは今現在、正社員で働けている人たちは仕事があるので幸せなのか?というとそうでもなさそうでこれがまた第4章の「心のワーキングプアになる若手正社員」の161ページに『若手正社員にとっての一番大きな問題は「働き過ぎ」になっているという事だ。』働き過ぎの結果、「突発性難聴」(161ページ)や「うつ」(169ページ)になってしまう人が急増しているという。それだけでなく、173ページから175ぺーじには「働きすぎてセックスレスになる若手正社員」というテーマで書かれていて、単に衣食住の問題だけでなくこのような所まで影響が出ており、これでは「今の時代、仕事があってもなくても地獄」という事になり、正真正銘の「生き地獄」の時代なのか?と思ってしまう。そして190ページから195ページに「ワーキングプアは全ての人の問題」という見出しで書かれ、194ページには『しかし、親が「ワーキングプア」であるなどの理由から貧しくてきちんとした教育を受けることが出来ない若者の中には、窃盗や詐欺といった犯罪によって手っ取り早くお金を稼ごうと考えるものが出てくる。』195ページには「このように貧しい人の増加は豊かな人にとってもゆゆしき問題なのである。」と書かれていて、のんきに構えている場合ではないはずである。

 先頃少し話題になった消費税の増税に関しても217ページから220ページにかけて書かれ、217ページには『現行の消費税は様々な問題を抱えているが、最大の難点は「逆進性」の問題だ。逆進性とは、条件の悪い人ほど重い負担が生じること』と書かれており、これの解決方法として支出税」の導入という新しい方法を提案しておられる。詳しい事は本を読んで頂きたいが219ページと220ページに『「支出税」も「消費税」も消費に対して課税するという点では同一であるが、直接税の「支出税」は間接税の「消費税」と異なり、医療費などの不測の支出に対する控除や累進税率の適用が可能という点で逆進性の問題が解決出来る』と書かれている。

 『自分の子供が「ワーキングプア」にならないようにするためには』という見出しには234ページに『自分の息子や娘が社会人になった時点で「格差社会」の下流グループに入らないようにするには、いい学校を卒業させるしかない。』と書かれているが、親自体がワーキングプアではこれでは解決出来ない。「おわりに」には、現在の問題が過去の貧困問題と大きく違う所3つ挙げられ、「現在の貧困問題では、それが隠蔽、抑圧されていて、貧困の実態が貧困に陥っていない人たちからは分かりにくくなっているということだ。」「なんらかのきっかけで一度、生活が困窮化すると、その状態から抜け出す事が非常に難しくなることだ。」「貧困の問題が世界規模で深刻化しているという点」(236から237ページ)と書かれている。もしかすると、一国で対処出来るような問題ではないのかもしれない。

 195ページと196ページには『諸悪の根源は「新自由主義」にあり』と書かれ、196ページには『この新自由主義の思想に従えば、基本的に自由な競争、弱肉強食の世界を推奨するのだから、競争の結果当然「勝者」と「敗者」が出てくることになる。政府は「敗者」については救済すると言明しているが、現実の世界を見ればわかるとおり、実際にはほとんどの「敗者」が救済されないままとなっている。』と書かれ、結局利己心ベースの方法である。これでは本当に社会全体が崩壊し、国が亡くなってしまう事も絵空事ではなさそうな気配だ。

 出版されたときからそれなりに時間が経過しているので、必ずしも今の状態に全てが適合しているとは言えないのだが、雇用問題が国を滅ぼしかねないという重大な事に気付かせてくれるので、最低でも一度目を通す事をお勧めする。もちろん、時間をかけてじっくりと読むのはもっとお薦めです。

ワーキングプアは自己責任か
門倉 貴史

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