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 即身成仏=ミイラになるということではない。先人の残した知恵を正しく知ろう。 

 空海とは弘法大師のことで唐から沢山の教典や曼荼羅絵を日本に持ち帰り、真言密教を確立させたが、このほんのタイトルの通り、謎の多い人物である。著者の三田誠広さんは小説として「空海」を書いている方でこの本はある面では小説の解説書のようなもの(208ページ)と書かれておられる。

 第二章「空海は天才少年だった」という見出しで伝説に触れ、25、26ページには『空海が幼少の頃、両親から「貴物(とうともの)」と呼ばれていたという話は本人が語っているので、もしかしたら本当かもしれない。子供の頃から漢文がすらすら読めたので、中国の高僧の生まれ変わりではないかと噂され、両親もわが子の天才ぶりに、天からの貴重な授かり物だと考えてそう呼んだというのだ。』、「空海は四国の室戸岬の洞窟の中で、明星が体内に飛び込む幻想とともに、一種の悟りの境地に達したとされている。これが何歳のときかわかっていない」(26ページ)、第三章「なぜ大学に入れたのか」では「入学のためには家柄という条件があった。すなわち、親が貴族(五位以上)でなければ、入学が許されないのだ」(39ページ)「叔父の阿刀大足の奔走があると思われる。」(40ページ)、第六章「遣唐船に乗り込むまで」では88ページに「最澄はすでに、奈良の大寺の僧侶にも引けを取らない、高僧になっていたのだ。空海はそうではない。一介の私度僧がいきなり遣唐留学僧に命じられることは、通常ではあり得ないことなのだ。そのありえないことがなぜ実現したのか。そのような重法規的措置が可能なのは最高権力者の桓武天皇に評価されたからだろう。」恵果から秘伝を授かった理由についても125、126ページに「空海は山岳修行によって、すでに悟りの境地に近い達観を得ている。経典、論書も読み込んでいる。長安に入ってからの半年で、瑜伽密教の知識も、秘伝の部分の他は完全にマスターしている。その姿を見、空海が梵語で語る様に接しただけで、恵果は、唯受一人の後継者はこの若者以外にあり得ないと確信したのだろう。」等、様々な空海の謎について触れられているのだ。

 特筆すべきは147ページに「一切は空であると認識する。それが悟りであり、解脱であり、すなわち即身成仏であるということになるのだ。」と書かれていること。「即身成仏」というと僧侶が命がけの修行をしてそのままミイラになることなのか?と思ってしまうからだ。

 空海について大まかに知るためには読みやすく、理解しやすい。真実が明らかでない以上どうしても著者の方が調査して下した結論にゆだねなければならない部分がどうしても出てくるのでこれは仕方ないだろう。空海を詳しく研究されている方には物足りないかもしれない。

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三田 誠広

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