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 著者の命がけの調査に感謝すると同時に、真実が伝えられない怖さが現実の問題

 このブログでは異色の内容だが、3月の事故発生以来真実がどうなっているのか今までの報道では分からないところがあるのと、何となく「チェルノブイリのときと同じことになるのではなかろうか」という思いがあったので、具体的にどうなったのか知りたくて読んでみた。

 ジャーナリスト広河隆一さんの著書で、2011年5月25日初版1刷発行、2011年5月29日初版2刷発行と書かれているので東日本大震災以来いかに原発に対する関心が高まっているのか?ということがわかる。広河さんは月刊誌「Days Japan」の編集長をされておられ、チェルノブイリとスリーマイル島の原発事故の報告で講談社出版文化賞を受賞されている。この手の報道に関しては第一人者と言えるだろう。本の後ろに特別寄稿として広瀬隆さんが、223ページに「広河氏はたびたび汚染地帯を歩いてきたのだから、もうすでに、彼の被曝量そのものがかなりのレベルまで行っているのではないかと、そのことが不安である。」と書いておられ、命がけの調査と取材、市民の救済活動であることが伺える。でもそのおかげで我々が気づかないことを知らせていただけるのだ。これは感謝以外の何ものでもない。
 東日本大震災からかれこれ5ヶ月以上経つのだが、未だに解決、収束の兆しは見えない。原発事故の後の作業もまだ作業員さんたちが危険と隣り合わせで大変な思いをして作業をされておられるし、避難所で暮らしている方もまだかなりおられるようである。6~8ページには『私はチェルノブイリの高濃度汚染地域で、住民が強制避難させられて消えた四五八の村の撮影をして「チェルノブイリーー消えた四五八の村」にまとめたが、今回の日本の学校に対する基準値を当てはめると、これらの消えたほとんどの村々は、人々が住んでもいいし、学校に子供たちが通ってよいことになる。』15ページには「こうしたことを考えると、日本の対策がいかに遅れているかが分かる。」と書かれており、これでは事態が解決するわけがないと思ってしまった。
 この本の特徴は、著者の広河さんがチェルノブイリで行った調査の地図やアンケート結果が掲載されていることだ。例えば102ページにはセシウム137の汚染濃度の地図が、173ページにはベラルーシでの甲状腺がん数の推移のグラフが掲載されているのだ。これ以外にも沢山の地図や表、写真等が掲載されており、チェルノブイリの事故の後、どうなったのかというのがわかることである。そして、130ペジから151ページとかなりの量を裂いて土壌汚染も含めた食品汚染に関する記述がなされている。当面の間、我々にとっても一番気になるのがこの食品汚染だろう。何しろ、東北地方から北関東、北海道南部という漁業と農業両方とも大切な地域で起きた事故だからである。これではいくら数値が基準値以内であったとしても、食の安全ということに関してはとても不安に感じてしまうからである。137ページには『ミンスクでは汚染された肉一に対して汚染されていない肉を五の割合で打っていたと言った。それが中止されたと伝えられた後しばらくしてモスクワに移送した肉が、汚染がひどいといって送り返されてきた。「その肉をどうしたと思う?結局ミンスクの店に出したという噂が立ったのよ」と彼女は言う。(中略)汚染の少ないミンスク市と汚染地のゴメリ地方では、子供の体内セシウムの値が同じになってしまったというのだ。』と書かれており。こちらでも同じようなことが起きるのではなかろうか?と心配になってしまうのだ。202から208ページには「真実は報道されない」という見出しで207、208ぺーじには『一三日には、三号機でも水素爆発の恐れが出たとして、一号機に続き、朝八時半からベントが開始され、周辺の観測地は午後一時五二分、これまで最高の一時間あたり一五五七・五マイクロシーベルトに達したと報告されている。枝野氏は「一番高い数値のところでも、一時間その場にいて、胃のエックス線検診三回分(朝日新聞)」という発言をした。これもこのあと物議を醸し出す言葉だった。ちょうどこのころ私は飯舘村にいて「エックス線検診三回分」の放射能を浴びたことになる。この一五日の午前七時には放射線量が一〇ミリシーベルト/時まで急上昇し、この汚染が北西に向かうことが分かっていたという記事が朝日新聞五月五日付朝刊に出ている。緊急時迅速放射能予測ネットワークシステム(SPEEDI)の」計算が出ていたというのだ。二か月近くたった後の発表に、細野豪志首相補佐官は「国民がパニックになることを懸念した」と説明した。情報は隠され、人々は被爆したのだ。』と書かれており、真実が報道されないことの怖さが分かると同時に、今現在どれだけの真実が隠されているのだろうか?と考えてしまう。あれこれ自分なりに考え、詮索する見方をすると、全て今現在出されている情報はあまり自分たちの生活に直接影響がないようなことばかりで、大切なこと、問題視すべきこと、解決すべきことは全て隠されているのではなかろうか?と思わざるを得ない。
 原発事故の後、これからどうなるのか?ということを曲がりなりに知りたい方にはおすすめだが、一般市民としてどのように対処したら良いのか?具体的に何をしたらよいのか?ということにも触れて欲しかった。

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広河 隆一

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